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旅とデザイン、傍らにコーヒー。

珍旅行記②〜フィンランドのジャックニコルソン〜

この地へ来て太陽を一度も見ていない。
一年あるうちの大半が曇り空。それに加え極夜という太陽が沈んだ状態が続く現象が起こる時期もある 。
太陽の光をあまり浴びないせいか、鬱になってしまう人の割合も多いといわれている この国フィンランド。それでも、世界で最も幸福度が高いと言われているほどに国民の選択肢が多い国なんだそう。

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オーロラが見たい!と、ここなら観測率が格段上がる!といわれているフィンランド最北端の田舎町、サーリセルカまでわざわざ足を運んだというのに、念願のオーロラは見れなかった以前に、ばっちり雨まで降るという どこまでもツイてないニンゲンを発揮するわたし。

いや、そもそも"ツイていない旅"だった事は、序盤からずっと知らされていたような気がする。
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サーリセルカの朝9時。
極夜真っ最中の薄暗い中、雪に覆われてガチガチに凍った道路の上を踊るようにバスは行く。
そのバスに乗って目指した先はスモークサウナが体験出来るというキーロッパまで。
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目的地に到着しレセプションに向かう。
受付していたおばちゃんに話を伺うと、どうやらこの日のサウナ受付時間は15時からだそう。…現在10時。さすがに時間が空き過ぎるので、予定を前後させる事に。

モイ!」「モーイ!
次のバスの時間は何時ですか?
慣れない英語で目的地を伝えると
この時間にあの場所から乗ったらいいわ
とバスの時刻表を手渡し指差してくれた。
キートス!」「モイモイ!
時刻表を確認し待合席に戻る。


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英語は世界共通語とはいえ フィンランドのど田舎では、未だフィンランド語での対応や表記が多い。
受付のおばちゃんが指差したバスの時刻表を眺めていると普段見慣れない文字に、そもそも目的地がちゃんと伝わっているのか?本当にあのバスで大丈夫??この時間じゃなくて???と、わたしの心配性スイッチが作動。
これを同居人は『極度の心配性』と判断しているらしいが わたしからしたら『失敗しない未来を見据えてとる行動』ただそれだけなのである。

念のためおばちゃんにもう一度確認してこよう!と受付へ向かう。

確認なんですが、ここに行くにはこの時間のバスで間違いないですか?

…これを聞いたのが間違いだったんだと今では思う。

おばちゃんはすんごい形相で時刻表をバシバシ指差しながらフィンランド語を叫び倒している。

『おまえいい加減にしなっ!さっきも聞いてきただろうがよ!何度言わせりゃ気がすむんだい!このファッキン浮かれポンチ豚鼻野郎!出直して来な!』

鼻息を荒くし 目を見開いている。
何を言われたか定かで無いが、おそらくとんでもなく罵倒されたのは伝わった。
最初に尋ねた時の優しいおばちゃんはそこにはおらず、目の前にいるのは もはやジャックニコルソン。斧を持ち出して追いかけ回されるのではないかとゆうくらいに、あの映画のワンシーンのようだった。
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親切だったおばちゃんが狂気に染められていく。人間の怖さを目の当たりにした瞬間だった…



結局本当に聞きたかった答えは恐ろしくてそれ以上聞きだす事も出来ず、ニコルソンにやられる前にその場を後にした。(ちゃんとバスは来ました。)

極夜のフィンランドは人を豹変させる。あのおばちゃんには一刻も早く 太陽の光を浴びて欲しいものだ。


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